スキノバ!

「好きな時間を伸ばす」「好きなことを伸ばす」「好きのある場所」をお届けします。

ふつうの日記が読みたい

じいちゃんの3年日記

近所に住む、ばあちゃんを

病院に連れていくたびに、

さいきんは、部屋に招かれて

棚の上のものを取ったり、

使わなくなったカバンをもらったりしている。

 

正直にいうと、使えないような古くさいものも多いのだけど、

「くれる」という好意と

そこに詰まった思い出が愛おしすぎて、

私はいつもひとつふたつ、もらって帰る。

 

「ポマードの匂いだ」っていつか誰かが言っていた

「じいちゃんの匂い」がする奥の間には

正確には数えていないのだけど、

10冊以上の3年日記が置いてあった。

 

「あ、これは妹が生まれた日だ」

そう声に出したら、ばあちゃんが

「読んでみられ」と言って取り出して

私はそっと

「じいちゃん、ごめんね」って心の中で言いながら

その日記を開いた。

 

「夜勤。

 帰ってひとねむりして、病院に行く。

 次女三女。元気であれ。」

たった3行。

でも、その3行が愛おしかった。

 

そして、その右の日付には

「一日こたつで寝ていた。」の一言。

 

なんでもない、本当になんでもない日記。

だけど、今はもう

私のことも忘れてしまったじいちゃんはもちろん

そんな何気ない日常の話なんて、

きっと誰に聞いてもわからない。

 

だけど、確かにそこに時間が流れていて、

そこに私たちは生きて来たのだと思うと、

なんか、ものすごくいいなって思った。

 

その日にその足で買った3年日記は

結局8日で終わってしまった。

 

それでも私は、ふつうの日記が書きたいし、

ふつうの日記が読みたいと思う。

 

ブログが流行り始めた時に

一般人の日記など、誰も読みたくないのだから

何かに特化しなくては、

役に立たなければ、

オチやネタがなければ…と散々言われていた。

 

だけど、めぐりめぐって。

今こそふつうの日記が読みたいと思う。

 

魔法をかける編集 / 藤本智士さん

あなた自身がどんな服を着て、

何を身につけ、

どんなものを食べ、

誰と付き合い、

何を話し、

どんな行動をとるか。

 

その一挙手一投足が、

あなた自身からの発信であり、

それはもはや

あなた自身がメディアなんだということです。

そんな風に始まるこの本。

 

魔法をかける編集 (しごとのわ)

魔法をかける編集 (しごとのわ)

 

 

「編集」を広い意味に捉え、

未来のビジョンを描いて変化させていくチカラ。 

 

最近勧めていただいて、

すべての章が面白くて、興味深くて、勇気が湧いて、

どんどん読み進めた。

 

こんなに早く読めた本は、久しぶりじゃないかな。

f:id:hommy_jp:20170826233846j:plain

 

地域おこし協力隊に応募して 

この本には、ローカルメディアの話もたくさん出てくる。

読んで行く中で、

1年ほど前に「地域おこし協力隊」に応募したことを思い出した。

 

そして、その違和感と、

その時に描いていた未来へのビジョンも。

 

地域おこし協力隊のOBたちが書いたブログには

「ここはこんなに素晴らしいところですよ」

ってことがたくさん書いてあった。

だけど、その人たちが普段何をして、何を考え、

どんな「ふつう」の毎日を送っていたかは全然わからなかった。

どんな「日常」を送れる世界なのかは、全然書いてなかった。

 

その地域のHPを見れば、

他の地域から人口をひとりでも確保しようと

外に向けた発信はあったけれど、

肝心の底に住む人たちが欲しい情報は

最新なのかもわからないような事務連絡だけだった。

 

結局私は、

その地域がいい!っていう根拠も

この街を出たい!っていう理由も見つけ出せず

今も生まれた街で暮らしている。

(とかってカッコよく言ってるけど、

 面接はふつうに落ちた。)

 

初体験のBGMが「なんでも鑑定団」というエモさ

私の初体験は、背景で

「なんでも鑑定団」の声が聞こえていた。

(当時は島田紳助さんがまだ司会だった)

 

これって、私にとってはものすごいエモいことなんだけど、

都会の人だとか、今思春期の子達には、その感覚ってもしかしたら

ぜんぜん理解できないのかもしれない。

 

「なんでも鑑定団」は私たちにとって、

土日の昼に何度も再放送されている番組だ。

というか、土日の昼は

「なんでも鑑定団」か「相棒」しかほぼやってない。

(土曜も日曜も放送してて、

 下手したら1日に2度放送されているような気がする。)

 

そんな昼下がりに、

社会人の彼に合わせるように背伸びしたラブホテル。

罪悪感と好奇心と冷静を装う私。

 

最初はそれこそムード作りもなされてたはずだけど、

なんやかんや失敗して、

中断して、コンビニのサンドイッチを食べた。

 

お風呂に入って、温まった身体に

「今ならできるかも!」って2度目のチャレンジには

なし崩しのままで。

だから、付けっ放しのテレビで

流れてたのは「なんでも鑑定団」だった。

そういうこと。

 

まぁなんていうか、

それは日常というよりは特別な日だったのだけど、

「なんでも鑑定団」=「土日の昼」

という日常がなければ、この雰囲気はきっと伝わらない。

 

(夜だったとしても、BGMはなんでも鑑定団っていうのは

 なんとなくサイテーな感じは伝わるかもしれないけれど。)

 

ここでこうして生きてます

なんか、普通の日記が読みたい。

「こたつで寝てた」でも、そこにみかんはあったのかとか

「テレビを見てた」は何を見てたとか

あとじいちゃんの日記では

「苗を植えた」なら、この時期ってそうなのか!って発見がある。

 

そんな風に、誰かにとっての日常は、

私にとってはトクベツだったり、

時間が経てば輝いたりする。

 

そんな日常に触れて生きたい。寄り添いたい。

そんな場所を、なんとなく思い描いている。

 

 

魔法をかける編集 (しごとのわ)

魔法をかける編集 (しごとのわ)